たまに、本当にまれに、人からハガキをいただきます。
現代はメールの時代ですから、
ハガキなんてそうそうは書かないのかもしれないけれど、
私が面倒くさがりやでガラケーを持ってはいるものの、
ほぼほぼ無視や、充電切れ放置してしまうので
連絡がつかなくなることもしばしば。
別段、私に急用が有る人なんてそうそうはいないし、
いたら電話がかかってくるだろうしと、メールも何もしない
ひとりぼっちが好きな人です。ですが、
しばらく前に、東滴壺のハガキが届きました。
あ、覚えていてくれたんだ。私のこと。と、少し嬉しい気持ちになりました。
私が「京都の石庭が好き。」と言ったことも、もしかしたら覚えていてくれたのかも?
と、思うと胸がとてもあたたかい気持ちになり、
少し、苦しい時期でもありましたから、ぽろぼろと涙がこぼれ落ちました。
単純にたまたま手元にあった東滴壺の絵葉書だったのかもしれないけど、
私が「石庭が好きだ。とくに龍安寺の石庭。あそこなら、いつまでも見ていられる。」
というような趣旨のことを言っていたことを、覚えていてくれたのかも。。
と、思いたかったワタクシでした。その時の心情としては。
いただいたハガキは東滴壺(とうてきこ)のものですが、
私が好きなのは龍安寺の石庭。
15個の石が、絶妙な間合いで空間を遊びまわるように配置してあって、
敷き詰められた小石が、
まるで川や海の渦潮(うずしお)のような美しい流れで表現されているの。
そして、「どの角度からみてもどれか一つの石が見えない。」
っていう、神秘めいたところが好き。
インターネットで調べていたら、1度に15個の石を全て見られる(攻略法=位置)
も、書かれてたけど、私は1つだけ「見えない石」があることに惹かれてるから
私は攻略しなくてもいいかな?と感じています。
ただ、龍安寺に行くと、必ず30分ほどは、場所をかえながら
見入ってしまう。。なんていうか、心の平穏を与えられて、
自分が浄化されてゆく気分になるんです。
ある女友達は、どこかの美術館で買ったであろう、
私好みの絵葉書を送ってくれて、
また、ある別の男友達は、私が「篠田桃紅」が好きなことを知っていて
篠田桃紅の絵葉書を送ってくれました。
ある日、家に帰ると家の前にくるくるっと巻かれた大きな白い紙が
置いてあって、「わ!!なんだ!気持ち悪いな―」と一瞬は思ったものの、
「あ、そういえば、あたし、今日が誕生日だ~。
忘れてたーー。」
さては、誰かが誕生日いたずら(正式には誕生日プレゼントと呼びます。)
してくれたわけねー。
中身は、だいたい想像が付きましたが、家の鍵を開けて、
家に入ることさえ待ちきれず、玄関の前に立ったまま、
その巻いた紙を丁寧にほどいていくと、
「バグダッド・カフェ」という映画の、私の大好きなヤスミンが
高いとこをお掃除している、あのポスターでした。
▼ こーゆーのね。
「やっぱりなー。建ちゃん(仮称)はこーゆーことするロマンチストだもんなぁ。。」
何のポスターが置いてあるかとか、誰が贈ったのかとか、全部全部、
私に推理されて完全に謎が解かれてしまっている「サプライズ・プレゼント」って
サプライズ要素が、ちっとも、ないんですけおどぉおおおー(ノ´▽`)ノ
って、本当に笑った。
どいつも、こいつも。ほんとに不器用なりに私の好きな物を
ちゃんと知ってくれていて、とっても不器用に励ましてくれる。
私にできることがあるとするなら、
「愛している」「信じている」「私は大丈夫」「あなたは大丈夫。」
この、4つの言葉を心のなかでささやくことだけ。
みんな、死ぬなよ。生きろ、ただただ、生きろ。