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オススメの本■戦う勇気、退く勇気

 

政治では右派と左派が揉め、

経済面では金持ちと貧乏人が揉め、

世代では、老人と若者が揉め、

性別では男性と女性が揉める。

宗教と宗教は争いあい、

同じ宗教でさえ、違う宗派を作って

また、争う。

 

リアルに自分の周囲や、

自分の友人知人の周囲に起こっていることは

大げさにでなく、「命がけの戦い」なのだと思います。

大きな組織となり、利権が生まれるところには政治や政局があり、

巨大な利権の取り合いの裏側には、様々な暴力が潜んでいます。

 

私は、いつも、それらの傍観者で、いつも書くように

愛している。信じている。私は大丈夫。あなたは大丈夫。

生きて。生きて。

これらの言葉を呪文のように唱えることしかできない。

 

私自信も私の友人知人たちも、皆、平凡な庶民ですが、

庶民の会社勤めや、ちょっとした自営業レベルでも

命がけであることは言うまでもありません。

 

イタリアの社会学者であるフランチェスコ・アルベローニの

戦う勇気、退く勇気を夫が今読んでいるそうす。

どこかの記事で書いたように、私が捨てたにも関わらず

買い直してしまった本です。夫が私の本棚で見つけたようです。

 

全ての文章が的を射ていて、

生きるために必要な知恵について網羅されているので

どのページが良かったといったような感想はかけないのですが

先日、夫が影響を受けたと話していたページについて、

今日は書いてみようと思います。

 

夫は82ページの「好奇心を全開にせよ。」という章から

大きな影響を受けたと申しておりまして、

どのようなことが書いてあるかというと以下のようなことです。

 

「はっきり分けるタイプ」

仕事は余暇の楽しみのために、超えなければいけないハードルにすぎないと考えるタイプ。

 

「猛進型」

自分の全てを外側に向け、仕事や活動に没入する。唯一の望みはあらゆることを支配し管理することであるタイプ

 

「探求者」

失敗しても、悩んでも、裏切られても、ここから何が学べるか、これどのように役に立てることができるかを考えるタイプ

 

という、3つのタイプに人をカテゴライズして詳細を記し、分析をしている章です。

 

私が「戦う勇気、退く勇気」の感想を夫に聞いた時に、いの一番にこの話が出てきたのは、夫は「猛進型」にピッタリで、私が「探求者」にピッタリだったからだそうです。また、夫の職場には「はっきり分けるタイプ」の方もいらっしゃるようで、これら3種類の全てのパターンの人間の立ち居振る舞いをみて、「いつも一つのことしか頭になく、周囲の人達を巻き込もうとする」典型的な猛進型の自分を戒めたのだそうです。

 

猛進型の方は確かに世の中にけっこういらして、私から見たら盲信型ともいえるかも?と思ってしまう方々もいます。旧知の仲なら、いさめもしますが、さほど親しくもなければ、これはもう見守るしかないくらいのエネルギーの方々であったりします。

 

夫は、一つのことに一途になって、白黒をはっきりさせないと気がすまない自分の性格を見つめなおして、「探求者」のように白黒はつけようとしないで、(ららちゃんのように)全ての人を理解しようという努力をしないといけないなぁと、ちょっと反省したと申しておりました。

 

ですが、私からしてみれば、狩猟民族の時代には男性が狩りに出掛けて、先頭をきってマンモスに一撃をくらわせる人だって必要なわけだったのでしょうし、現代だって、それは変わらないと思うの。だから、猛進タイプっていうのは、実は社会にとって必要だから、いつまでたってもいなくならないのだと思うのね。

 

例えば経済だって、先頭をきって、アフリカに物を売る権利を中国なんかに渡さないからねーーー!!!って、日本の利権を取りにいかなきゃいけない最前線の人達だって必要なわけで、その方たちが争って利権をとってきてくれるから、私だって安穏としてコンピューターで日記を書いていればいいわけで。。

 

私は、リアル社会では「探求者」という優しくて穏やかな、一番おいしい立ち位置に居させてもらっているようで、すごく申し訳がない気がしているの。疲れた人達の話を聞いて癒やせばいいだけの立場なんて、なまっちょろいなーって。だから、夫にも同じことを言ったのね。

 

あなたが会社組織で、自分の足場を固めて利益(給料)を取って帰ってきてくれるから、私はのんきにしていられるわけで、あなたを癒やせばいいだけなんて、美味しいとこどりで申し訳ないと伝えました。私は最前線で利益(給与)の取り合いをできるほど、メンタルが強くないし、私みたいなヨワヨワな(探求者の)人ばかりでは世の中は成り立たない。あなたみたいに、猪突猛進に外で戦う人は世の中に必要なのよ。社会は戦場で、あなたは戦士だもの。ほんとうにありがとう、と。

 

夫は照れくさかったのか、ちょっと苦笑いをしていました。

 

一章だけに触れたのでは、この本の面白さと有意義さは分からないと思うので、是非、一冊まるごと読んで頂きたいものです。

 

■「戦う勇気、退く勇気」の詳細はこちらで