良質節約生活 100万円/1年

50代、虚弱体質・料理好きの節約シニア主婦ブログ

君よ。

強がって、意地を張って生き続けて、

いまや中年のいい年のおばちゃんなワタクシ。

でもね、たまにはセンチメンタルな気持ちにもなるのよ。

 

あの人の前ではよく泣いたな。

誰の前でも、泣かない私が。

 

泣くときは、いつも部屋で一人で泣いてた。

 

あれは何故だったんだろう。

 

なぜか、彼のまえでは心がほどけるようで

ぬぐっても、ぬぐっても涙がとまらなくて

自分でも、人前でこんなに泣ける人間なんだって

おどろいたりもした。

 

そのたびに、彼はおろおろと箱ティッシュを取りに行って

そっと、私の前に置いた。

 

私は、自分自身の無力さがたまらなく虚しくて、

社会で重責を負っているであろう彼に、たずねた。

「あなたは、その立場にあって、自分の無力さをを感じることが、すごくあると思うんです。そういう時、どうやって自分自身の体制を立てなおすのですか?」

と。

 

すこし、長い説明だったけれども、最後に、

「良くなって行くほうを見るんです。」

と、

力強く、凛とした目で、

まるで、自分自身に言い聞かせるかのように言ってくれた

あの言葉。

 

彼の回答は、私にだけでなく、社会に対する思いやりに満ちていた。

社会で役割を果たす人というのはこういう目をするものなんだと、

あの時、思った。鋭いような、優しいような、あの目。

 

一緒に涙ぐんでくれた、君よ。

忘れえぬ君よ。

君は私の内側に、

何かしっとりとした、

安心のような物を残して行ってくれた。

 

君よ。

 

君よ。

 

君がそれを選んだのなら、その道を突き進むがいい。

その残骸を、いつか私が拾いにいくわ。

 

*いい年になると、そんな思い出のひとつやふたつはあるものなんでしょうね。