「韓流ドラマと言えば、どうせ恋愛ものでしょ?」と思うあなた。確かに韓流ドラマは恋愛ものが人気なのは事実ですが、1話で一時間以上かけて、丁寧に人間関係を描いていくのが韓流ドラマのお家芸で醍醐味でもありあます。
もともと恋愛ドラマが好きではなかった50代のおばさんの私が、ネットフリックスや、アマゾンプライム、U-NEXTなどで見つけた恋愛ドラマを除外した、おすすめのサスペンスドラマ、ヒューマンドラマをここでご紹介したいと思います。
私が好きなサスペンスやヒューマンドラマは社会派なものが多く、暗かったり、陰惨だったりします。ほのぼのとしたヒューマンドラマをご希望の方はここで引き返してください。
人間レッスン
(ネットフリックスで日本語吹き替えで見ることができます。)
真面目で品行方正、学力も高く、態度も静かで落ち着いており、問題を起こすこともない模範的な生徒であるオ・ジス。普通に大学に入って、普通に就職して、普通の家庭を持つこと、それがオ・ジスの夢。
オ・ジスの家庭は普通ではない様子が冒頭シーンから見てとれます。オ・ジスは「夢は高価なものだ。親がいない場合は手が届かない。」と、ドラマの冒頭でつぶやいています。
オ・ジスには両親がいません。正確に言えば両親は生きてはいますが完全に親ガチャに外れた高校生、それがジスなのです。普通の生活を手に入れたいだけのオ・ジスの、「普通の生活を手に入れる手段」は、品行方正な学生生活とは真反対の違法なビジネスのボスの仕事だったのです。
ジスは派遣型の違法ビジネスをスマホひとつで操るボスであり、高校では暗くて目立たない秀才という二つの顔を使い分けています。物語は、違法ビジネスを操るのに必須のスマホをジスが失くしてしまうところから急展開していきます。
違法ビジネスに手を染めていることが学校で知られてしまっては「普通の生活」を手に入れられないと、どんどん追い詰められていくジス。若さゆえの愚かさと愚かさのぶつかりあいもあって、話はどんどんもつれてゆきます。
スマホを手に入れたのはだれなのか、ジスは果たして普通の生活を手に入れられるのか、どの子がどんな運命をたどるのかどんどん興味が沸いてきて、中盤からは一気見が止まらなくなる作品です。
地獄が呼んでいる
(ネットフリックスで日本語吹き替えで見ることができます。)
1話目を見ただけでは、子供向けのファンタジードラマ?と思わされるような内容で、何が何だか分からないままでした。
ですが、回が進むにつれて、人々が宗教にのめり込んでいく様子が端的に描かれており、新興宗教があっという間に世界に広がっていく恐ろしさがあります。
人間は、「人はなぜ死ぬのか?」というテーゼに意味を持たせすぎていないか?と自問自答させられるドラマでした。ドラマでしかありえない設定ではありますが、人は理不尽な死を突然突き付けられた時に、何かに、誰かに、その理由を求めてしまうのか?そして、それは宗教なのか?」という、面白いテーマのドラマです。
[mine](マイン)
(ネットフリックスでは日本語字幕のみです。)
色々な事業を手がける財閥ヒョウォングループの家庭内で起こるゴタゴタのドラマです。壮大な昼ドラを見ているようなドロドロ感から、急にサスペンスものに色を変えるのが特徴です。
財閥ヒョウォングループの自宅は大規模な敷地にいくつかの施設があります。会長の長男とその嫁チョン・ソヒョンは「カデンツァ」と呼ばれる本宅に住み、会長の次男とその嫁ソ・ヒスは同じ敷地内にある「ルバート」と呼ばれる別宅に住んでいます。そんな中、次男の嫁で元女優のソ・ヒスが息子の家庭教師を雇います。
家庭教師カン・ジャギョンが来て、ソ・ヒスは夫と家庭教師の中を疑うようになります。そんな折、ハン会長が急に病に倒れ、環境が一変。家族内でのさまざまな疑惑と陰謀が渦巻く中、チョン・ソヒョン、ソ・ヒス、カン・ジャギョン、それぞれの女たちがそれぞれの動きを始めます。
最初は不倫ドロドロものかと思って見始めたのですが、回を追うとともに女性たちがたくましくなっていき、様々な問題を乗り越えていく姿が圧巻です。最初のほうは不倫ドロドロ劇に見えますが、あきらめずに最後まで見ていくと、サスペンスもの、女性の自立に関する物語に変化していきます。最後まで目を離さず見ていただきたい作品です。
SKYキャッスル(スカイキャッスル)
(ネットフリックスでは日本語字幕のみです。)
一言でいうなら上流階級の奥様方の子供たちのお受験ものです。
弁護士、医者など一部の上流階級しか住むことのできないSKYキャッスルという架空の住宅地。お城のような大きな屋敷の並ぶ高級住宅街「SKY(スカイ)キャッスル」に住めるのは、富・名誉・権力を手にしている者たちのみです。
博士課程を修了しているが古風な弁護士の夫に専業主婦でいることを強いられているノ・スンヘ。完璧な英才教育で成績優秀な娘を育てる医師の妻ハン・ソジン。元々少しやんちゃをしていたけれど、芸能人になるのが夢だった医師の妻チン・ジニ。
内申点、小論文のテーマ、奉仕活動、部活動などなどの総合評価で子供を医大に入れるには、母親は子供100倍は努力しなければならないというお受験戦争の世界。
どうしても娘をソウル医大に入れなければいけない状況のハン・ソジンは、娘のイェソをソウル医大に入れるために、先にソウル医大に合格したミョンジュさんの息子ヨンジェのポートフォリオ(お受験情報)を手に入れなければならないと思っています。
ヨンジェの母親ミョンジュからポートフォリオの開示を断られた代わりに、取引銀行のVVIP(超上客)のみに紹介される「超優秀な家庭教師たちとの面接会のチケット」を手に入れたハン・ソジン。
何人かいる家庭教師の中から、料金が高額で、1年に2人までしか生徒を受け付けないが100%の確率で志望大学に合格させるというキワモノの家庭教師を選ぶハン・ソジン、そしてハン・ソジンの娘もキワモノ家庭教師の生徒として選ばれます。
そんな中、息子をソウル医大に合格させて幸せの絶頂のはずの、ミョンジュンさんが突然自ら銃で命を絶ちます。
そのような謎めいた出来事が起こった中、空いたミョンジュンさん宅に新しい住人が引っ越してきます。富、権力、名誉に興味のない童話作家で気さくな性格であるイ・スイムです。そこから、物語が大きくひっかきまわされていきます。
このドラマは韓国でも一大ブームを巻き起こしたドラマで、親子関係、夫婦関係のいざこざが次から次へと出てきて、息をつく間もありません。また、主婦たちの夫同士の間でも出世争いがあったりと、本当に目が離せない展開です。
このドラマで出てきた「スタディキューブ」という、クローゼット型の勉強ボックスが話題になったことでも有名です。
ヴィンチェンツォ
(ネットフリックスで日本語吹き替えで見ることができます。)
韓国からイタリアに養子に出された子供が「ヴィンチェンツォ・カサノ」という韓国系イタリア人となって韓国に訪れるドラマです。なんとヴィンチェンツォがイタリアでついている職業は、イタリアマフィアの顧問弁護士。
イタリアでもかなり暴力的な行動で問題の収拾をはかるヴィンチェンツォですが、韓国を訪れてからも、「暴力には暴力を」という姿勢を貫いて巨悪と戦います。
時に恋愛ぽいこともあり、時にコメディタッチで、時に勧善懲悪ものという、多彩な芸のドラマらしいドラマです。エンターテイメント作品として楽しむのにはハラハラ感がとても楽しいドラマです。
アルハンブラ宮殿の思い出
(ネットフリックスでは日本語字幕のみです。)
AR(拡張現実)の技術で、現実世界にゲームのキャラクターを登場させたり、自分がゲームのキャラクターになったりする世界。
そして、この世にはいないはずの拡張現実のキャラクターに殺されそうになりながら、なぞ解きをしていくという奇想天外なドラマです。
私も途中までは、この先どうなるんだろうとワクワクしていたのですが、最終話の終わり方が韓国でもかなり不評だったようで、私も、この終わり方はどうなの?と思ってしまいました。
まるで、伏線をたくさん張ってはみたみたけれど、回収する前に打ち切りになったアニメのような後味の悪さでした。
実は恋愛ドラマは好きではないと豪語していた私ですが、生まれて初めてハマった恋愛ドラマが「愛の不時着」でした。そして、その「愛の不時着」に出演しているヒョンビンさんが主役だからという不純な動機で見始めたのがこの「アルハンブラ宮殿の思い出」なので、いまいち物語にのめり込めなかったのかもしれません。
終わり方は不評でしたが、中盤までのドキドキハラハラ感はとても楽しいので、一応おすすめドラマに入れておきました。
まとめ
これらの作品をまとめてみて思ったことは、これらのドラマは20代の時に見ていたら、そんなに面白く感じなかったかもしれないということです。
50代になって、色んな人の人生の悲喜こもごもをを見てきたからこそ、これらの作品の裏側にある社会背景やメッセージをとらえられるようになったように思います。
あなたも是非、韓国のサスペンスドラマにどっぷりハマってみてください。
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