甲状腺を摘出するという恐怖
体の大きな役割を担う臓器を失うということは、かなりの恐怖があります。私の場合は甲状腺がんで甲状腺を半分摘出しました。
甲状腺には体を支える様々な機能があり、新陳代謝を促進させたり、脈拍数や体温、自律神経などの働きを調節したりする機能を担っています。つまり、体のエネルギーの消費を一定に保つ役割を担っているのです。
ですから、甲状腺の数値が高くなる病気「バセドウ病」では体のエネルギー消費が高くなり、疲れやすくなったり、痩せてきたりします。逆に甲状腺の数値が低くなる病気「橋本病」では体のエネルギー消費が低くなり、体がだるくなったり、太りやすくなったりします。
それほどまでに、体の主要な維持機能を担っている甲状腺を失うということは、これから一生、体の不調に悩まされるのではないかという大きな不安がありました。
なぜ、がんだけを摘出するのではダメなの?
甲状腺は蝶々のような形をしており、私の場合はその蝶々の片方の羽に当たる部分に10㎜のがんと7㎜のがんができていました。もう半分には、がんが見つからなかったので、甲状腺の半分を摘出、つまり半摘(はんてき)を行うことになりました。
甲状腺を失い、体の調節機能がおかしくなってしまうことが怖くてたまらなかった私。医師に「ガンのみを摘出して、甲状腺を残すことはできないのですか?」と尋ねてみました。
すると、私のように10㎜近いガンがあったり、複数のガンがある場合、顕微鏡レベルで見ると、その周囲に星屑のようにごくごく小さながんがちりばめられるように存在しているとのことでした。
ですから、大きくなったがん細胞だけを取り除くのではなく、その周囲の微細ながんに浸食された組織まで取り除かないと危険だということなのだそうです。
世界的には全摘が主流
担当医の話では、私のように甲状腺の半分にしかガンが存在しない場合でも、外国では最初から甲状腺を全部摘出してしまうそうです。半摘という手術は世界的にもめずらしい手術だそうです。
なぜ、世界的な主流は全摘なのでしょうか?日本は医療費が安いので甲状腺の半分にしかガンがなかったら、半分摘出しておき、もう半分にもガンが見つかったら再度手術ということができます。
ですが、諸外国は医療費が高いので、甲状腺の半分にしかガンが無くても、もう半分に転移していた時に再度手術となると費用が高額になってしまいます。ですから、費用面の問題で最初から全摘手術という対応になるそうです。
まとめ
甲状腺がんに限らず、がんになった方は内臓や肉体の一部を大きく切除する手術に尻込みをしてしまうと思います。そして、どうしてガンのかたまりだけを取り除いたのではダメなの?どうして内臓ごと切除してしまうの?という疑問が沸くと思います。
ですが、上記の通り、一つ大きな癌があったら、その周りに星屑のように微細ながんが散っているということが多いそうです。ですから、内臓ごととってしまうという処置になってしまうのです。
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