2014年04月08日執筆 最近は体力がないので、外国の方とお話できる場に行くことはほどんどないのですが、昔は、英語の勉強がしたくて国際交流センターや留学生センターのような外国人の集まる場所に毎日のように通っていた時期がありました。別段、英語教室が開かれていたというわけではなく、図書館代わりにセンターを利用している外国人に無差別に話しかけるという作戦を決行していただけです。(笑) ちょうど私がそんな無茶をしていた時期は、たまたま無料で外国語を勉強してやろうとセンターに来ている日本人や外国人が沢山いた幸運な時期でもありました。さらに、留学生センターや国際交流センターは勉強をしに来ている学生や社会人は、(自国の)新聞を読みに来ている知的富裕層が多かったので、資産運用の非常に有益な情報源にもなりました。その頃は特に資産運用を始めた時期で、諸外国の政治経済に詳しい留学生の方たちとお話しできることは、私にとって、とても有益なことでした。 そして、私自身が外国に居をかまえて働いた経験や、諸外国の方々とのおしゃべりを通して、しみじみ思ったことは、「日本は本当に豊かで安全な国」で日本を離れたくないな~ということなのです。世界を視野に入れて、客観的に物をみている人は、日本人、外国人に限らず日本はいい国だと言ってくれます。私も本当にそう思います。 自国で成功できたにも関わらず裕福だという理由だけで、家に爆弾を投げ込まれ国を逃げ出してきた人。あまりにも自国の治安が悪いので、家族が何らかの理由(暴動・内戦・テロなど)で死ぬかもしれないと考え、自国での大学教授の座を捨てて、日本のゴミ処理場や工場などで朝早くから夜遅くまで家族全員で働いて生き抜いている人、本当にいろいろな人とお話をしました。各国々の中でも賢い部類に入る人ほど日本に逃げてきているようにさえ感じました。 例えば、インドに旅行に行った人は人生観が変わって、急に人が変わることがあります。アフリカや南米にボランティアで行った友達は 電気・水道・ガス・電話・テレビなどは、お金持ちしか利用できない地域がほとんどだと言っていました。(通っていたとしても途中で寸断することが多いとか。) 毎日、天井の電気がつき、いつでも電話が通じ、蛇口をひねれば水が出て、しかも、その水が茶色くない。そして、一家に一台はテレビがある。仕事を辞めれば失業保険が出て、働けなくなったら生活保護がでる。世界人口の中で、こういう暮しができている人は、10%もいないと言われています。「働けない=餓死(栄養失調死)」という国も少なくありません。 そういった国の人から見ると、たとえ生活保護を受けている公営住宅の暮らしでも中流以上の暮らしに見えているでしょうし、むしろ、「働けなくても家も生活費も用意してくれる国」に対する憧れをもっている人も少なくないのです。 実際に外国に住んでいた時に 「何で日本ほどお金持ちで、 物質的に豊かで清潔で安全な国から こんなたいしたことのない国に来たんだ?」 と聞かれたことがあります。それが世界から見た日本の姿です。 しかも日本は国民皆保険である「国民健康保険」と「国民年金」という国民全体で国民を支えようというすばらしい制度があります。これを行使できている国は、世界でも少ないのです。諸外国では一部の富裕層が富を独占し、大多数の庶民は食べる物を買うお金もないくらい貧乏な層が多いわけですから、保険や年金を払うお金など持っていないので払えるわけがないという事情があるからです。 日本の水道技術・鉄道技術・介護技術などは世界の国々が、ものすごい金額のお金を払ってでも教えてほしいと乞うてくるくらいの質の高さです。外国に住んでみて、他にもチョコレート、紙、トイレ、肉、加工食品、生理用品などなど、世界的に見て、日本の(量産)製品はなんて品質が高い上に安かったかということを知りました。外国で日本製品の品質と同じ程度の商品を買おうと思ったら日本の2~3倍の値段でないと買えないことがほとんどでした。警察、行政サービス、福祉サービスなども非常に質が高いです。 こんなに豊かな国に住んでいて、自分が貧しいと思うのは、やはり他人と自分を比べてしまうからなのでしょうね。それも仕方のないことだとは思います。人間、自分が見てきた範囲でしか物事を判断できないものですよね。私も、低所得で一人暮らしをしていて、心細かった時は、不安が多きすぎて「貧困妄想(自分が貧しいと思い込む。)」に、とつかれていました。 私自身も、若いころは漠然と人と自分を比べて、自分はなんでこんなにお金を稼げないんだろうと落ち込んだ時期がありました。でも、実際には自分と同じ年齢の女子よりずいぶん多く稼いでいたことに、大人になって気づきました。あまりに高望みしたために、ノイローゼになり体調も崩して無職になり、貯金を切り崩しながら単発バイトで食いつなぐ日々は地獄でした。 あの頃、もっと冷静に自分のいる位置を理解し、行動できていれば…そしてペース配分を考えて働いていれば…と後悔は残ります。でも、あの頃の自分では無理でした。若いころはそのくらい大馬鹿者なのが当然なのかも。 ただ私は今、日本という豊かで安全に国に住むことができていることに本当に感謝していますし、これだけの豊かさと安全さを提供してもらうためには、どんなに収入が少なくても、それなりの責任(税金・健康保険・年金を支払う事)を果たすべきだと考えていて、どんなに貧乏になっても、実際に払ってきました。 そして、広い視野で世間や世界を見られるようになってからの方が収入が増えた気もします。世界や社会の状況をきちんと見極め、自分の立っている位置をニュートラルに見られるようになれば、案外、心の平穏が得られるのかもしれません。