2013年01月02日執筆 「夫の給料が少ない」「夫の給料が下がった」と、なげく女性に出会った時に、私は必ずデフレの説明をします。 夫の給料が少ないと思い込んでいる妻、夫の給料が下がったの夫のせいだと思い込んでいる妻の多いことに少し驚いたりもしています。年収ラボの「年収階層分布図2013」を見ると、年収が300万円以下の男性は男性全体の23,4%。つまり男性の4人に一人が年収300万円以下ということになります。これだけ高い割合で年収300万円以下の男性がいるということは、今や、夫の年収が300万円程度なのは、いたって普通なことになったということです。確かに20年前は、年収400~600万円が普通、700~800万円が中流というのが庶民の認識でした。しかも、20年前は稼いでくるのは男性という常識がまかり通っていまししたから、男性側が300万円以下ということですと、女性は親に結婚を反対されるような状態でした。 ようするに、「年収300万円=貧乏」というのは20年前の話です。 バブルがはじけた上に、リーマンショック・サブプライムローン問題と未曾有の不景気が20年近くも続き、「失われた20年」という言葉まで生まれました。そのうちの15年間は、デフレで物の値段が下がり続けました。15年も物の値段が下がり続けるというのは経済学的には異常事態で緊急事態です。
たとえば1990年に牛丼は400円。今は280円。(話を分かりやすくするために話を極端に単純化します。)「良質牛丼」とい牛丼屋があって、店長が1人いたとします。 400円の牛丼を1ヶ月に10万杯売ったとして、 1ヶ月の売り上げは4000万円。 そのうちの1%を店長の給料として受け取れるとしたら 店長の給料は40万円。 この牛丼が280円になったとします。 1ヶ月に同じ10万杯を売ったとしたら売り上げは2800万円。 同じく1%を店長の給料として受け取ったら28万円。 つまり、同じ会社で、同じ質・同じ量の仕事を まじめにコツコツやっていたとしても 給料は40万円から28万へ下がってしまう、これがデフレです。 (雇い入れを極端に減らす会社が増えたので、 一人あたりの仕事量は実際には1,5~2倍に…) ですから、男性の給料が下がった一番大きな原因はデフレです。給料が下がるくらいならいいですが、何回もリストラにあってしまう男性も少なくありませんし、業界によっては1/4まで給料が下がっています。(音楽・映像・出版・WEB制作の業界は壊滅的)
しかも、20年前くらいから、あまりの不景気で企業は被雇用者を守る体力がなくなり、年功序列(年齢が上がれば会社での地位や給与が上がる。)、終身雇用(問題さえ起こさなければ一生やとってくれる。)という仕組みをとりやめてしまう会社も増えました。今や、上記のようないい待遇を受けられるのは、公務員、銀行員、財閥系企業、および一部の大企業くらいです。 年収1000万円を超える男性は、3,8%と100人の中に4人弱。 私の知人にも年収1000万円を超えている人が何人かいますが、 日本は累進課税ですから給料が多いと、 すごい割合の税金を払わなければいけません。 年収1000万円程度ですと、多少余裕のある暮らしはできるかもしれませんが 贅沢な暮らしはできないのが実情です。 「バブル全盛期」または「バブルの残り香のある時代」を生きてしまったせいか アメリカの金融危機、ユーロ危機、東日本大震災などが起こる前の 「不景気の中でも、まだ景気がよかったほう」な時代を生きてしまったせいか 特に現在、35歳以上の女性が 夫の給料に不満を持つ傾向が強いように感じます。 今の時代は「雇ってもらって、給料をもらえるだけでありがたい。」 「夫(妻)が元気で働けるだけてありがたい。」という時代です。 夫の給与が少ないと感じるなら、 妻がその分を働いておぎなえばすむことです。 夫を責めて落ち込んでいる時間があったら、何でもいいから 妻も自分にあったお金を稼げる方法を見つけましょう。 さらに、夫の給与がいくらであっても 夫なりに一所懸命辛いことも我慢して、ひたいに汗して働いてくれた金です。 「今月も、一所懸命働いてくれてありがとうございました。」と 毎月のお給料日に夫に感謝の気持ちを伝えていますか? それを言うだけで、夫の妻に対する態度が変わることも少なくありません。 書き始めると長くなりますが、夫の給与の多い少ないは 妻がどれだけ夫をフォローしているかも深く関係しています。 きつい言い方をすれば、夫の給与が少ないのは 妻の「夫を支える能力が低いから」というケースも よく見かけるのです。 夫に対しても、社会に対しても謙虚な気持ちで 感謝を忘れないようにすれば 結果的には色んなことがうまく回り始めるのかもしれませんね-☆ 【関連記事】 *あなたは本当に貧乏ですか? *夫/旦那は妻が育てるもの■夫の出世は妻しだい