良質節約生活 100万円/1年

50代、虚弱体質・料理好きの節約シニア主婦ブログ

病院の過剰請求を見つけ返金してもらった時のお話

 

診断書の二重請求が事の始まり

 過去に、掛かりつけの病院の過剰請求を追求して、返金してもらった時の話を書いてみようと思います。

 事の発端は、診断書の二重請求でした。諸事情により持病の医療費に関する手続きを お役所で2件ほど済ませなければいけなかった私。2枚目の診断書料を払う段になって、「1枚の診断書で2件とも手続きできたんですよ^^;」 と言われてしまいました。

 ですが1件目の手続きは、すでにお役所で処理中のため 「この案件もついでにお願いします。」 なんていうわけにはいきません。 役所とはそういうものです。 1枚目の診断書が5250円、2枚目の診断書が6300円。 本来、不必要な6300円もの出費を強いられたのでした。

隠ぺいせず謝罪があったので1件目は大目にみました

 その件については、窓口の若い女の子が 包み隠さず話してくれた上で 「次からは気をつけます。申し訳ありませんでした。」 と、頭を下げてくれたので、謝ってくれている若い女の子に、だいの大人がガミガミいうのもどうかと思って 「分かりました。」と、怒らず終わらせました。

確定申告の際に病院の領収書に不審な点が見つかる

 ですが、確定申告の時期に 過去1年分の医療費の領収書を見直していたところ、同病院で領収書等に不審な点がが見つかりました。具体的なやり取りを書くとかなり長い文章になってしまうので、随分割愛して書きますが、ご了承ください。

 不審な点を「ここ、おかしくありませんか?」と会計窓口の方に聞いたところ、 「そこには書いてありませんが(=記入漏れですが)治療費は合ってます。」 と、調べるわけでも、手元の資料と照合することもなく即答されてしまいました。でたらめな対応に腹立たしくは思いましたが、ここで、この人に怒りをぶつけたところで、まともな対応をしてはくれないだろうと、私は割り切りました。

クレームを言うのではなく読み合わせを強行

 私が「ここが間違っています。」と言ったから、会計が「いいえ、間違っていません。」という返事をしたわけです。ですから、質問の仕方を変えて、

  • 私「じゃぁ、ここは〇〇円ですか?」
  • 会計「○○円ですよ。」
  • 私「じゃぁ、ここは〇〇円ですか?」

と、1ヶ所ずつ、読み合わせる形に強引にもっていきました。

すると、病院の経理の方が、

  • 「あ、ここ多くもらってますね。」
  • 「あ、ここもですね。」

と言い始めました。

 結局、私の申し出た通り、治療費を多く支払っていたことが発覚したのです。 「やっぱりね…」と、特に驚くこともありませんでした。

病院の過剰請求を副院長に相談

 この際、過剰に請求されていた医療費を650円ほど返金していただきました。ですが、毎回会計とこんな押し問答をしなければ、過剰請求されてしまうのかという不信感を持ってしまったのは確かです。

 そんな時、私の担当医が「副院長」の立場であることを思い出し、担当医にこの過剰請求の話をしたのでした。この病院は精神科で、精神科は担当医との相性が非常に大切になってくる診療科です。私はこの担当医を心から信頼しており、 真面目で誠実で責任感の強い方だと高く評価していました。

 ですから、「それは申し訳ありませんでした。すぐに対応します。」 と言ってくれるとばかり思っていました。ですが、今回の過剰請求の話をすると、

「この病院の会計は最近コンピューターを導入したばかりで、それまで、古くからいるスタッフかそろばんで治療費を計算していました。そろばんをはじいて会計をしているスタッフをパソコンを使えないからという理由で解雇というわけにもいきませんから、当院は長らくそういった体制でした。最近やっと、そろばん隊が定年で退職してコンピューターでの会計を始めましたが、ウチの会計はまだ、患者さんの細かい質問に答えられるだけのレベルにはないんです。」

との説明を受けてしまいました。

 「ほほぅ? 事務方がコンピューターに慣れていなかったら、患者さんに損をさせてもいいってことですか?(私の心の声) 」と思いましたが、確かに何百人の患者さんの医療費計算を、そろばんで手計算となると、ものすごく大変だろうということも想像はつきます。2人分の家計簿でさえ大変だと思うような私ですから…。

 ですが、私は患者が会計ミスを指摘しているにも関わらず、調べもしなかった窓口対応の職業意識の低さに納得がいっていませんでした。ですから、私はさらにこのように副院長に訴えました。

「確かに、どんな事柄においても、ヒューマンエラーは起こり得ますから仕方のないこともあると思います。

 だから、診断書の二重請求の時も全く怒らず、許しました。ですが、治療費の金額が間違っていると言っているのに、調べもせず何の根拠も提示せず、合っていますと言い切ってしまう、会計窓口のその姿勢がおかしいと言っているのです。

 それに、わずかであっても会計の計算ミスを見過ごしていたら、わずかな金額から始まって、大きな金額の横領につながることだってありますよ。

 そのように副院長に伝えると、その病院が精神科病院であったため、

 精神科病院は色んな患者さんが来られるので、あしらい癖がついてしまったのかもしれませんね…。

と、どことなく煮え切らない態度で、寂し気に回答してくれました。

病院医設置してあった投書箱に投書

  この担当医(副院長)なら誠実に対処してくれると思ったのに…と情けない気持ちになっていました。

 担当医を精神科医として信頼しているから、この病院をかかりつけにしておきたい。ですが、会計が杜撰(ずさん)な病院をかかりつけ医にしておくのは不安だ、そんな二つの気持ちの間で揺れ動いていました。

 怒りと情けない気持ちでいっぱいになって、とぼとぼを病院を出ようとすると、入り口付近に「病院に対するご希望をお書きください。」と「投書箱」が設置してありました。 

  もう、残された手段はこれしかないと思い、思いのたけを書きつらねました。ヒステリックな文章を書いて、クレーマーやモンスターペイシェントだと勘違いされ、相手にされないということのないように、冷静、簡潔かつ理路整然とした文章を心がけて書きました。   

 そして、最後に「ご事情はおありでしょうが、改善できるよう努力していただけると嬉しいです。」と締めくくりました。

 「これならクレーマーっぽくないだろっ!」と、思いつつもスーパーなどの投書箱では、自分達に都合の悪い投書は社員やパートが勝手に丸めて捨ててしまうこともあると聞いたこともあったので、この投書も院長に届くかどうかは分からないと思っていました。

投書後の病院の反応

  投書後、初めて病院に行った際、担当医(副院長)に開口一番 「投書されたそうですね。」 と言われました。匿名はイヤだったので、実名で投書したからです。

   前回、担当医は過剰請求について煮え切らない態度だったので、「会計がでたらめなことの言い訳」をまた聞かされるのかと思いました。ですが、これだけ言ってもまだ会計をかばいだてして、患者をないがしろにするのであれば私も、お怒りモード解禁でお話させていただきますわよ!と、臨戦態勢で担当医の出方をうかがっていました。

 すると、

  • 担当医「ありがとうございましたっ!!」
  • 私「???」
  • 担当医「いやぁ~。実は私も事務方には思うところがあったんですが、私が事務方にとやかく言ったところで、いっかいの医者に医療事務の何が分かるの?と言われてしまうと、それ以上踏み込めなかったんですよ。ですが、瀬戸さんが投書してくれたおかげで、院長にまで事務方の不備が伝わり、院長と私と事務方で事務処理システムを根本から見直す話し合いができました。船の帆に風が吹かないと船は動きませんが、瀬戸さんがウチの会計システムの不備に風を吹かせてくれました。おかげさまで、ウチの会計システムがやっと正しい方向に動きだしそうです。本当にありがとうございました。」

と、何度も何度もお礼を言われてしまいました。

 以降、会計の方も、領収書に対する質問に対しては手元のデータと照らし合わせて回答するという適切な対応をしてくれるようになりました。

 思いを伝える、分かり合うということの難しさに「秋菊の物語 」という映画を思い出しました。  自分の知らないところで何をされているか分からないということ、大きな組織で今までつちかってきた体質や習慣を変えようとすることは生半可なことではできないということを思い知りました。

 今考えれば、副院長である私の担当医も、医師の仕事だけをし、事務方には関与しませんというのが当然な姿だったと思います。ですが、事務方の不備の改善にまで真面目に取り組んでくれた、非常にレアなケースだったと思います。医師ですから、事務方のことは私には分かりませんというのが当然だったのかもしれません。ですが、私は、自分の人を見る目を信じていました。医師たちとの会話や、ホームページに書いてある「院長からのごあいさつ」という文言から、この病院の院長や副院長は誠実な人だと信じていたのです。

 かくして、私のかかりつけ病院はコンピューターでの事務処理を強化し、ヒューマンエラーの凡ミスのない会計となったのでした。

まとめ

 私には信条があります。信頼できる人を見つけ、粘り強く説得すれば、必ず人は答えてくれるということです。このブログの前身ブログでも「この人の、人を信頼する勇気と、粘り強さはすごい。」とブコメをいただいたことがあります。

 情熱は人を動かす、これは私が半世紀の人生で学んだ大きな教訓です。

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