せとちよグルメ旅

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浦和の「Cafe Voir(カフェ ヴォアール)」が閉店|香りと音楽に包まれた思い出

浦和の名店「Cafe Voir(カフェ ヴォアール)」が閉店

浦和の旧中仙道沿い、木村ビルの2階。初めて訪れたのは15年前くらいのことでした。

階段をのぼった瞬間、どこかヨーロッパの古都に迷い込んだような、ふくよかなコーヒーの香りに包まれた空間。「Cafe Voir(カフェ ヴォアール)」は、まさに大人のための隠れ家カフェでした。

残念ながら、そのCafe Voirがこのたび閉店したという知らせを聞き、長年のファンとしては一言では語り尽くせない思いがあります。この記事では、ひとりの客としての視点から、Cafe Voirの魅力と感謝の気持ちを込めて、思い出を綴っていきます。

静けさと香りの共演

Voirに通ってまず驚かされるのが、「静けさ」の演出です。音楽はクラシック。ピアノの旋律が静かに流れる中、挽きたてのオールドビーンズコーヒーの香りが空間を満たします。

オーナーが日本橋のコーヒー専門店で修業を積んでいたことを知り、なるほどと納得しました。「焙煎したて」「挽きたて」「淹れたて」の三拍子が揃ったコーヒーの芳醇な味わいは、都内の高級カフェにも引けを取りませんでした。

ウェッジウッドの食器がもたらす非日常

コーヒーだけではありません。Cafe Voirの魅力のひとつに、オーナーが20代から集めてきたという「ウェッジウッド」の食器があります。

艶やかな白地に美しいブルーやピンクの花模様。ケーキを載せて出されたその瞬間、「ああ、今日ここに来てよかった」と心から思えるのです。まるでおとぎ話の中に迷い込んだような、日常とは違う優雅な時間が流れていました。

完全分煙の居心地の良さ

喫煙・禁煙が完全に分かれているのも、大きな魅力でした。まだ、完全禁煙のお店が主流でなかった頃に、タバコの煙が気になる方でも安心して長時間過ごせるよう配慮されていました。ひとり客も、グループ客も、それぞれのペースでゆったりと過ごせる空間設計が見事でした。

2018年からは土日祝日が全席禁煙になり、より多くの人が気兼ねなく足を運べるようになったのも、利用者目線の運営姿勢が垣間見える瞬間でした。

バンケットルームの秘密

あまり知られていないですが、Cafe Voirには7名以上から利用可能なバンケットルームがありました。私は一度、お茶会で利用したことがありますが、これが本当に素晴らしかった。こぢんまりとしながらも高級感のある空間に、ウェッジウッドのポットでサーブされる紅茶と、見た目も美しいケーキたち。会話も自然とはずみ、いつもより上品な自分になれたような気がしました。

「Voir(ヴォアール)」という名前の意味

店名の「Voir」はフランス語で「見る・接する・交わる」といった意味を持ちます。この言葉には、ただのカフェ以上の想いが込められていたことを、来店を重ねるごとに感じるようになりました。

コーヒーとお客様、クラシックと空間、そしてマスターと客。そのすべてが交わる場所として、Cafe Voirは存在していたのです。

マスターの存在感

この店には、ちょっと照れ屋で誠実なマスターがいました。注文のとき、コーヒー豆について話すと、急に饒舌になるのが印象的でした。特に、オールドビーンズの話になると止まらない(笑)。

1993年に蕨で開業し、浦和へ移転。地域に根差しながらも、コーヒーという世界の文化を丁寧に伝えてくれる稀有な存在だったと思います。閉店と聞いて、いちばん寂しいのはこのマスターのコーヒーがもう味わえないということかもしれません。

ありがとう、Cafe Voir

何度も何度も通ったCafe Voir。疲れたとき、落ち込んだとき、何かを祝いに行ったとき――。あの空間は、私の日常を特別にしてくれる場所でした。

閉店を惜しむ声がSNSでも多く見られ、「もっと早く行っておけばよかった」という後悔の声も多々あります。今はただ、この素敵な空間があったことに感謝し、思い出を胸に、次のカフェとの出会いを楽しみにしたいと思います。

まとめ:カフェは「香り」と「音」でできている

Cafe Voirが教えてくれたのは、カフェという場所は単なる飲食店ではなく、「香り」と「音」と「空間」が合わさった総合芸術なのだということです。

閉店してしまっても、その感動はきっと記憶の中に残り続けます。ありがとう、Cafe Voir。そしてマスター、素敵な時間をありがとうございました。

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