- 葉山アリーナは商業施設?
- 葉山マリーナの本業は船のメンテナンス
- マリーナで船を「陸上げ」とは?〜船底メンテナンスの必須工程〜
- マリーナは吊り上げ作業の場所
- 陸に上げた船に行うメンテナンスとは?
- エンジン整備と電装系のチェック
- 船体メンテナンスの費用感
- 葉山マリーナのスタッフの専門性
- ヨット・クルーザーの安全と快適を支える「裏方」の力
- まとめ
葉山アリーナは商業施設?
葉山アリーナとは一般のお客さんからするとただの商業施設に見えます。
マリン系のアパレルや雑貨、グッズなどを販売する店が立ち並んでおり、その商業施設がメインだと思っている方も少なくないでしょう。
また、有名ビーカープリン「マーロウ」をはじめとする、様々な飲食店がテナントとして入っており、海だけでなく、ヨットやクルーザーを見ながら、ゆっくり食事をしに来る観光客もたくさんいます。
クルージングサービス
葉山アリーナでは、物販や飲食店の出店以外にも、豪華モータークルーザーでのクルージングサービスを行っています。
昭和の大スター「石原裕次郎」の名がついた裕次郎灯台から湘南のシンボル"江ノ島"を周遊する約45分間のショートクルージング
が実施されています。
料金は大人3,800円で、子供1,900円で、別料金でランチ付きコースや、チャーター(貸し切り)コースも用意されています
葉山マリーナの本業は船のメンテナンス
ですが、葉山マリーナの本業は商業施設の経営のみではありません。実は、葉山アリーナはヨットやクルーザーの停泊・メンテナンスをする場でもあるのです。
マリーナで船を「陸上げ」とは?〜船底メンテナンスの必須工程〜
海に浮かんでいる限り、ヨットやクルーザーは少しずつ劣化していきます。特に見えない「船底」は、海水にさらされ続けることでフジツボ、海藻、藻などが付着し、進行性能を低下させるだけでなく、燃費にも影響を及ぼします。
葉山マリーナでは、定期的にこの船底の清掃や塗装のために、船体を海上から吊り上げる作業が行われています。これは「揚艇(ようてい)」あるいは「リフトアップ」とも呼ばれる重要なメンテナンスの一環です。
マリーナは吊り上げ作業の場所
船のサイズに応じて、マリーナ内の専用リフトやクレーンが使用されます。葉山マリーナでは、10トン以上の大型クルーザーにも対応できる強力なリフト設備が整っており、熟練のスタッフが連携して作業にあたります。
- 船体を桟橋に横付け
- クレーンやリフトのスリング(吊りベルト)を船体のバランスの良い位置に設置
- ゆっくりと船体を海面から持ち上げる
- 陸上の作業ヤードへ移動し、船架(スタンド)に安定して設置
作業中は「吊り上げ中」の表示と安全エリアの確保が行われ、一般来訪者の安全にも十分配慮されています。
陸に上げた船に行うメンテナンスとは?
海から引き上げられたヨットやクルーザーは、メンテナンスヤードでさまざまな整備が施されます。代表的な作業には以下のようなものがあります。
船底清掃(ハルクリーニング)
もっとも基本的で重要なのが、船底に付着した汚れや貝殻類を高圧洗浄機などで除去する作業です。葉山マリーナでは、専門業者が高圧スプレーやブラシを使い、隅々まで丁寧に洗浄します。
放置するとスクリューや舵にも影響が出るため、最低でも年に1回はこの作業を行うことが推奨されています。
船底塗装(防汚塗料)
清掃後には「防汚塗料」と呼ばれる特殊な塗料を塗布します。この塗料は、貝や藻が付着するのを防ぎ、船の滑りも良くする重要な役割を担っています。
葉山マリーナでは、船の大きさや航行エリア(湾内か外洋か)に応じて、塗料の種類や施工方法が変えられています。環境に配慮した低毒性の塗料が主流となりつつあります。
プロペラ・シャフトの点検
推進機であるスクリュー部分の点検や、回転軸であるシャフトの潤滑状態、腐食の有無などもこのタイミングで行われます。必要に応じてグリースアップや交換も行われます。
エンジン整備と電装系のチェック
エンジンは船の心臓部です。葉山マリーナでは、ヤンマーやボルボなど主要メーカーのディーゼルエンジンに対応した専門スタッフが常駐しており、オイル交換や冷却水の補充、インペラの点検などを定期的に行っています。
また、電装系(バッテリー、GPS、レーダーなど)もこのタイミングでチェックされます。特にクルーザーの場合は、エアコンや冷蔵庫などの電化製品も多いため、細かな点検が重要です。
船体メンテナンスの費用感
メンテナンス費用は、船のサイズや施工内容によって変わりますが、以下はあくまで目安です:
- 船底清掃:3万〜8万円
- 船底塗装:8万〜20万円(塗料別)
- 吊り上げ+保管費用:2万〜5万円/日
- エンジン点検:1万〜3万円
- 電装点検:1万〜2万円
マリーナの年間契約に整備費用が組み込まれている場合もあります。
葉山マリーナのスタッフの専門性
葉山マリーナには、日本小型船舶検査機構(JCI)の検査対応も可能な整備士が在籍しており、点検記録やメンテナンス履歴の管理も徹底されています。初めてのオーナーでも、安心して任せられる体制が整っています。
また、クルーザーの保管中には定期的なエンジンの始動、バッテリーの充電、カバーの清掃なども行われ、まさに至れり尽くせりのサービスです。
ヨット・クルーザーの安全と快適を支える「裏方」の力
海の上で優雅に過ごすひととき。その裏側には、葉山マリーナのプロたちによる地道で丁寧な作業があります。ヨットやクルーザーは「浮かんでいるだけで維持費がかかる」と言われますが、それだけにメンテナンスの質が安全と快適性を大きく左右します。
まとめ
予備知識なしに「マリーナ」という場に行くと、船が並んでいるだけの場に見えると思います。ですが、海に船を浮かべておくと、船が痛むので吊り上げたり、吊り上げてメンテナンスしているのだと思いながら見ると、また風情が違ってくるかもしれません。
葉山マリーナでは、船を単なる「所有物」ではなく、「人生の一部」として大切に扱う所有者達の船への愛が感じられます。愛艇を長く安全に楽しむために、所有者達が利用しているのが「葉山アリーナ」なのです。
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