■被害者は同情されるが加害者に目をやる人は少ない
・部下をガミガミ怒って休職に追い込む上司 ・上司にガミガミ言われて休職する部下 がいた場合、休職に追い込まれた部下は、当然
「かわいそうに…あんなにどなられて…」みたいな流れになりますが
怒鳴った上司を
「かわいそうに…」という人はいなかったります。
スーパーの店長が副店長をガミガミ言って休職させたとします。
■「店長(長=おさ)」と「末端(現場)」の仕事内容の違い
店長はその月の売り上げのノルマが5000万円課せられていたとします。前年度の140%の売り上げにしろ!!とかね。
それなのに、お客さんから「キャベツの中が黒かったんですけど!!」 とか、パートのオバちゃんたちから「シフトがこれじゃイヤなんですけど!!」 とか、「オタクの従業員らしき人がウチの敷地に自転車を止めてるんですけど!!」 とか、そんなクレームやもめごとは必ず1日に何十件かあるわけです。
でも、店長の仕事は売り上げ5000万円。そんなくだらないことに関わっている場合じゃない。これを達成しないと店長をおろされて給料が12~3万円に下がるかもしれない、そんな給料になったら家族を養えない。売り上げ目標を達成しないと自店からリストラを何名かださなきゃいけない。クビにした社員の生活はどうなるんだ?とか様々な責任がのしかかっているわけです。
■怒鳴る・陰湿な行動は気分障害(精神科)の始まり
そして、「怒鳴る」とか「陰湿な行動を取る」とかいう、精神疾患的な言動が多くなるわけです。こういう言動が始まった当初に、誰かが気づき、カウンセリングなどに行かせればいいのですが、それが精神疾患の初期症状なのかも?と気づく部下は、そうそうはいなくて「店長はああいう人だから」と、店長の性格としてとらえる人が本当に多いですね。
怒鳴り散らして人を萎縮させていた店長が急に辞めた。となると重度のうつ病に進んだ、とか、重度のうつ病で自殺したとかになっていてもおかしくないんですよね。休職して休息をとったほうがいいのは、怒鳴る側の店長のほうなんですけどね本当は。
「辞めたい」「休みたい」「仕事がつらい」と相談できた人は軽度で済み、自分の限界が来るまで、そういう弱音を吐かない人は「再起不能」なところまで精神病をこじらせて発覚する場合が多いです。だから、弱音・愚痴を言わない人は周囲が注意してないと非常~~~に危険。「怒鳴る店長」って、意外と弱音をはかない人が多いので後者のことが多いかな。
■誰かが精神科への受診をすすめる勇気を持とう
こういうときに、パートのオバちゃんとかの無責任な立場の人(これが重要)が「大丈夫ですか?売り上げ目標がつらいんですか?」とか言ってあげて、「仕事がつらいって言ってた友達が、心療内科に行ったら楽になったって言ってましたよ?軽い気持ちで行ってみたらどうですか?」とか言えればいいんですけんどね。
「何言ってんだ!おれのこと精神病あつかいするのか!!」と怒られることは覚悟でね。怒鳴る店長は追い詰められて初期の精神病ですから、自分を客観的になんか見られません。怒鳴り返されるのがオチかと。
でも、「私は精神病なんかじゃない!!」ってムキになるのは精神科の中度~重度の症状。 本人に言ってだめなら、会社の上層部、店長の家族に「店長の様子がおかしい」って知らせる人がいたら、早期発見できるんですけどね。でも、会社の人事部または家族に精神疾患の知識がある場合でないと、通報してもなかなか、うまくいきません。はい。
「店長、胃がんっぽいから胃カメラに行ったほうがいいですよ?」というのと「店長、精神病っぽいから精神科に行ったほうがいいですよ?」では、偏見の強さが尋常じゃないくらい違いますから。同じ、治る可能性のある「病気」なのにね…ほんと残念。
■より多くの精神的ケアが必要なのは加害者側
佐世保の高1女子殺人事件のように、病みが深いのはだいたいが加害者。被害者のほうが「精神病的な重症度」が低く、加害者側の精神病としての重症度は高いです。イジメもいじめる側が病んでいる子供で、いじめられる側は普通の子。だから加害者の精神的ケアなしに問題は解決しないという現実を、人は結構、知らなかったりします。
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