パソコンを窓際に置いて以来、窓のそとを眺めるのが好きになりました。
と言っても、アパートの別棟が目の前に建っているので、
部屋の中が見えないようにカーテンがしっかりと閉まった部屋の窓が
幾つか見えるだけなのですが、私はいつも、窓枠にひじをついて
別棟のカーテンの閉まった窓のほうと、真下の道を見下ろしてしまう。
道路で作業をしている人や、道を歩いて行く人、
車で通って行く人、別棟の窓の中の人、それぞれが、それぞれに
色んな人生を生きていて、色んな物語を持っている。って、
思うだけで、うまく言えないけど、くすぐったい気持ちになるのです。
何のイベントもミラクルもない、平凡な毎日。
それが、うれしくてたまらない。
でも、それが、時々は、退屈でたまらない。
我が家は低収入なので、経済的なことを言えば
ヒヤヒヤしていなければいけない立場なのに、
根がのんきなのでしょうね。わたし。
これから歳を重ねれば重ねるほど、辛いことが増えて行くんだろうなって
しみじみとしながら、でも、私は20代30代に、本当に
好き勝手にやったっていう満足感があるから、
それだけで、もう、生きる力になるというか、
うまく伝えられないけど、そんな気分。
私の青春*ニュー・シネマ・パラダイス【ネタバレぎみ?】 - 女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還
こちらの記事でもちらっと書いたけど、
「話すのも、黙っているのも同じ。」って20歳くらいの時に響いた言葉を、
今は実践するようになってしまいまいました。
誰にも、夫にさえも余計な口をきかなくなってしまいました。
何をどう言ったところで、なるようにしかならないし、
「今」を見て生きるしかないんだもの。
そう、思うと、言葉なんて出てこなくなるの。
ただ、人の話を沢山引き出して、うんと聞くのが好き。
ああ、こういう考え方の人もいるんだ、ああ、こういう考え方もあるんだ、
って、古い考え方から、新しい考え方まで、
自由な考え方から、偏屈な考え方まで、
生の声で聞くのが好き。
なぜだかね、あいづちと質問を繰り返していると、
必ず、その人は私のことを気に入ってくれるの。
最後には「本当に聞き上手だね。」って言ってくれる。
私は本当に人の話を聞くのが好きなの。
多分、話す相手を選んでるからっていうのもあるんだろうけど、
もっと聞きたい、もっと聞きたいって、質問攻めにすると
その人の人生の本当のところを知ることができて、
誰の人生も、一筋縄にはいかないっていうこと教わって、納得しての繰り返し。
満足や不満足や、退屈や興奮や、
鬱屈とした感情や、舞い上がるような感情、
そういったものを内側に抱えながら、生きている、
人間という生き物が面白くてたまらない今日この頃なのです。