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50代、精神疾患持ちのシニア主婦ブログ。

いつまでも恋をしたいおじさんたち、おばさんたちPart1

 

若き日に大人の不道徳さを学んだ

 私自身がが20代前半の頃、50代の中小の会社の社長さん達や、医師やら地位や収入の高い勤め人やら、まあまあ中流以上のおじさんたちが集まってお酒を飲む場でお手伝いしたり、同席することがあったんですね。だから、彼らの本音を聞く機会が多かったんです。

 私は、婚外恋愛とか、借金とか、倒産とか、各種依存症とか虚言癖とか、そういう話を聞いても、あまり驚いたり憤りを感じたりしないタチでした。おじさん達はお酒が入っているので、少しばかり口が軽くなっていて、色んな話を聞かせてくれました。

 私は、道徳観や倫理観を盾に相手を断罪するということをしないので、色んな人のたちの不道徳な現実を知る若者となってしまいました。

恋こそが救いのおじさんたち

 私の中で一番、思い出に残っている話は、いつまでも恋をしたいおじさんたちの話。

「例えば、俺が癌になって命があと半年と余命宣告されたら、最後に、燃えるような恋をして死にたい。最後の恋だから、そりゃー、その女の子をかわいがってかわいがって、もう目に入れてもいたくないくらいかわいがるよ。自分が、こんなおじさんだから、お金だって、出せるだけ出すよ。そして、恋に燃えて死にたい。」

というような話を、とある会社の社長のおじさん(仮称:A社長)が言い始めて、周りにいたおじさん達が、しみじみとうなずいていたのです。

 なんというか私には、「不謹慎な!」とか、「これだから、男は…」とかいうふうには、感じられなかったのです。白髪交じりで頭も薄くなり始め、容姿にも体力にも自信を無くし始めたおじさんたちが、絞りだすように、唸るように、口からこぼした「最期の望み」に、切なくなったのを覚えています。

  人間の生きるチカラって、最後の最後まで突き詰めると、そんなに高尚なものではなくて、意外と不純なものなのかなと思ってみたり、案外、不純なものをつきつめていくと高尚なものになったりするのかなと、思ったのを覚えています。

妻と愛人は別格なおじさんたち

私は、少し、気になって、言い出しっぺのA社長に聞いてみました。

「奥さんは?最後に奥さんを精一杯かわいがってあげようとは思わないの?」

と。

そうすると、

「嫁は家族だし、大切な人だから、金を残せるだけ残して死のうと思う。本当に嫁には口では言えないような苦労をかけたし、心から感謝してる。だけどね、死んだ後はね、結局家族には金を残してやるのが一番なんだよ。自分に保険金をかけられるだけかけて、嫁には残せるだけの金、すべてを残して死んでやるのが一番なんだよ。」

という答えが返ってきました。

結婚後も結婚と恋愛は別物

 よく、結婚と恋愛は別物というけれども、それは結婚前だけの話ではなく、結婚後でもそうなんだと、若かった私はおじさんたちの話を聞いて思ってしまったのでした。

 お金と時間に余裕のできたおじさんたちは、退屈で寂しくてせつなくてたまらないんだろうな、また逆もしかりで、お金と時間に余裕ができたおばさんたちもまた、孤独で寂しくて切なくてたまらないんだろうなと、私は、いつも切ない気持ちで、彼らを傍観者として、かたわらから見ていました。

 時間とお金に余裕のあるおじさんたちが愛人を囲うなんて事は当たり前すぎて、なんとも思わなくなっていましたし、そういったおじさんたちを積極的に口説く人妻たちも何人も見てしまったので、私自身は結婚というものに夢も希望も抱かない若者になってしまっていました。

 みなさん、大人ですから、配偶者は配偶者、愛人は愛人と割り切っていて、恋に溺れたりはせず、恋はたしなむものというスタンスで恋愛を楽しんでいらっしゃいました。婚外恋愛が妻にバレすぎて、妻にパイプカットをさせられたおじさんもいました。

 浮気相手を妊娠させてしまったというお話もちらほら聞きましたから、パイプカットさせられたおじさんも、お相手を妊娠させてしまったのかもしれませんね。

不倫相手の女の子達

 おじさん達の不倫相手の女性たちも、そのおじさん達のことを好きは好きみたいでしたけど、やはり所詮は不倫よねと割り切っているフシがありありましたね。「好きなのに、結婚できなくて悲しい。」という感じよりも「きっとこの人と結婚できたとしても幸せではないだろう。」という諦観を持っているようにも見えました。おじさんたちも、愛人には自分に対して本気になってほしいような、ほしくないような複雑な気持ちがあったでしょうね。なにせ本妻は本妻として君臨していて、本妻は絶対に失いたくないわけですから。

 バイアグラやらなんやらを駆使して、最後に限りのある男性の「性」部分を燃やしたいというその熱量みたいなものは、けっしていやらしいものではなく、むしろ、純粋な少年の望みのようにも見えました。

 性的に生涯現役であることができる女性の「性」とは違い、リミットのある男性の「性」は、なんていうか、心の持ちようが違うのでしょうね。

性的不能を嘆く老人男性

 ある看護師の知人が勤務先の病院の入院患者である、70代の男性が「俺のモノは、小便をするしか役に立たなくなった…」と、本気で嘆く姿を見て「男の人って大変なんだな」って思ったと言っていました。

 あのお話の輪にいた方々も、随分な人数、病気でお亡くなりになってしまいました。お葬式に、「最後の恋」のお相手(愛人)がおいでになった方もいたそうで、きっとお互いに本望だったでしょうね。

 私自身は、自分の孤独は自分でしか癒せないと思うタチなので、若い子と恋をするのなんて、一時しのぎのドラッグみたいなものだというふうにしか思えません。ですが、最後に「恋」という麻薬中毒になって、そのまま消えてしまえたら、どんなに幸せだろうって夢見てしまう、死期を意識したおじさんたちのはかなくも、ささやかな夢に、口を挟む気にはなれませんでした。

妻の不倫はバレない説

 逆に、お金と時間に余裕のあるおばさま方も、実は似たようなものでした。私は「人妻の不倫は絶対にバレない、なぜなら(夫から得られる資金も子供も)全てを失うから」と冗談半分、本気半分でよく口にしています。

 とある男性の妻がそれはそれは美人で、高校時代はかすみ草のようにはかなげな女性で、クラスでも人気の女の子だったそう。ですが、その人妻は40~50代の間で夫の同級生のほとんどのおじさんたちと肉体関係を持ってしまいました。彼女の夫の同級生のおじさんたちの間では「ほとんどみんな、あいつの嫁と寝たことがある。」というのは周知の事実でしたが、当の夫には妻の派手な不倫関係がばれていないという不思議な現象が起こっていました。対外的には非常に仲の良い、いい夫婦に見えていましたし、その夫の中では、妻はいつまでも「かすみ草」に見えていたのかもしれません。

おばさんになっても女性性しか拠り所のない女

 実際にその人妻と寝たおじさん達の話だと、その人妻は「女性性」を評価されることでしか自分を保てないメンタルになっていたようです。若い女性は容姿端麗であることが絶対的な強みとなりますが、歳を重ねると容姿は衰え、若い頃ほどの栄華は見込めなくなります。そのことを受け入れられなかったのが、この同級生ほぼ全員と寝てしまった人妻なのだと思います。

 あるおじさんとその人妻がデートをして、「ラブホテルに行こう」と誘うと、「私はラブホテルに行くような安い女じゃないわよ!高級ホテルのスイートしか行かないわよ。」と言われたそう。だけど値切ってシティホテルで済ませることは済ませたとのこと。

 自分の「女性性」に対して、男がいくらの金額を出してくれるかで自分をはかるあたりが、自己肯定感や自尊心の低い女性あるあるだなぁと思いつつ、おばさん側もおじさん側も、どっちもどっちだなと呆れていました。おじさんというのは残酷なもので、そのような話を酒の肴にしてしまうものなんですよね。

選択肢の少なかった時代の女性達

 とはいえ、この時代の女性達は「女が外で働くもんじゃない!」という親を持つ世代の人たちで、正確に言えば「女性が外で働くことを選択できはじめたぎりぎりの世代」の女性達でした。2022年現在70歳前後の女性達です。この時代の(家柄の良い)女性達はキャリアウーマンでの評価に振り切るか、女であること、良妻賢母であることでの評価に振り切るかの二択しか与えられなかった世代だったと言えるでしょう。少なくとも、私が居住していた地方都市の女性達はそのように見えました。

 そんな中で、多くの男から性的に求められることで自分の価値をはかろうとする女性が出てくるのは、いたし方のないことだと思えて、それはそれで切なく思ってしまいます。キャリア組女性はキャリア組女性で、おじさん戦士と競っていかなければならない身ですから、おじさんのようなおばさんになるしかない大変な時代でした。職場で女性らしくあっては勝ち上がっていけない時代でしたからね。

100%幸せな家庭はない

 生きていれば70歳前後のおじさんおばさんたちでしたが、結構な人数、死んでしまいました。彼らが死んだからこそ書ける話ではありますが、他にも思春期の子供が暴れまくって大変とか、子供が精神障害になって地獄とか、そんなような話が沢山ありました。

 私も中年になり、ある中年男性に「100%幸せな家庭なんてない」というと、そのおじさんは「100%幸せな家庭はある!」と言い切りました。私は肩で笑って、何も言い返しはしませんでしたが、「そう思えるのは、君んちに乗り越えるべき色んな試練がまだ訪れていないからだよ。まだ子供は思春期じゃないし、親は要介護じゃないし、妻に更年期はきてないし…俺の人生はこのまま終わっていいのか?の感情もまだきてないでしょ?うふふ」と心の中でつぶやいていたのでした。

◆つづき

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