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50代、精神疾患持ちのシニア主婦ブログ。

個人の幸福か、全体の秩序か。私が修学旅行に行けなかった理由。

 

私の生い立ち

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 私の生い立ちや両親については上記の記事で詳しく書いていますが、私の両親は私が幼稚園の年少の頃に離婚しています。経済力がなく、おそらくLD(学習障害)の母親と、重度の統合失調症の父親の間に生まれたのが私です。

 父と母は離婚の際に、子供の取り合いをしましたが、半ば軟禁のような形で私は母から、父に奪い取られ、父と父子家庭で育つことになりました。

 ですが、父は重度の統合失調症。私を怒鳴り、ののしり、殴る蹴るの暴行を加えるだけでなく、外でも問題を起こしちょくちょく警察に捕まっていました。父はその素行の悪さのため、親戚一同から縁を切られていたため、警察に父を迎えに行くのは中学生の私の役割でした。私は現代でいう、ヤングケアラーで、子供なのに大人の役割や振る舞いをせねばならず、子供らしく生きることができませんでした。それが、私の大まかな生い立ちです。

私の家系

 私の家系はしきたりを重んじる家系であり、個人の幸福よりも家、もっと言えば、全体の秩序を重んじる家系でした。大人になって知ったことですが、父方は軍人の家系、母方は教育者の家系だったらしく、どちらも職業的に出しゃばらないで、全体の秩序や規律を守ることを強いられる職業ですから、納得できる話です。

栄養失調で何回も骨折

 この家柄が災いして、私は中学校の修学旅行に行けませんでした。

 私は貧困と育児放棄で、食事をまともに与えられず、菓子パン、ポテトチップス、チョコレートなどを食事として食べていました。ですから、低栄養、高カロリーの食生活で骨がもろくなっていたのだと思います。私は、走っているだけで骨が折れてしまうような栄養失調の体に育ってしまい、子供時代に5回の骨折を経験することとなるのです。

修学旅行の直前に骨折

 私は中学校の修学旅行の少し前に、足を骨折し、入院をしていました。担任以外にも何人もの先生達がお見舞いに来てくれて、JRには障害者の方々が車いすで移動するためのエレベーターがあるから、それで電車に乗れる。クラスのみんなで、車いすを押すから一緒に修学旅行に行こうと、先生方はおっしゃってくれました。私も車いすで行く気満々でした。

 離婚していて、一緒には暮らしていなかった母がたまに病院にお見舞いに来てくれていたのですが、母にも、車いすで修学旅行に行くことになったと、嬉しくて話してしまいました。

 すると、母は

「まさか、あんた、修学旅行に行く気じゃないよね?」

と、私に言いました。

 私は、母が何を言っているのか分かりませんでした。ですが、その母の気迫に、どういう意味か聞くこともできず、戸惑っていると、

他の生徒さんたちに、どれだけの迷惑がかかると思っているの?楽しい修学旅行で人の車いすを押さなければいけなくなる人の身にもなりなさい。あんたは自分さえよければそれでいいの?

と、言われたのです。

 どうしてかは、分かりませんが涙がポロポロとこぼれました。ああ、この人(母)は私の気持ちなんか何も考えてくれないのだと思いました。私は、物分りのいい子でした。

「分かった。行かないって先生たちに言う。」

と、言ったら、母は納得しましました。私は一切、疑問の言葉も、反抗の言葉も発しませんでした。それでなくても同居している父親に虐待されて辛い思いをしているのに、同居していない母親とまで、揉めたくない、そういう気持ちだったと思います。

修学旅行を自ら辞退し、母をかばう私

先生方が、次にお見舞いに来てくださったときに、私は

修学旅行には行きません。ありがとうございました。

とだけ、告げました。

 当然、先生方は

どうして、一緒に行こうよ。

と、言ってくれました。

 私は、母親に行くなと言われたとは言えませんでた。上手く言えませんが、それを先生方にいうことは母親を悪者にしたような、密告したような気持ちになると思い、言えませんでした。

 私は、それ以上何も言えずに、ただ、ポロポロと涙をながすばかりで、ずっと泣き通しでした。先生方も私が泣いてばかりなので、何がなんだか分からず帰って行きました。中学生の私は、私ひとりが我慢すれば全てが丸く収まると考えました。人に迷惑をかけてはいけないと…。

子供らしく生きられない子供

 私は、母親を説得する気にはならなかったし、事情を先生方に話して、先生方と母親が揉めるのも耐えられなかった。もし、先生方に「母親は行くなと言ってるけど、私は行きたい。」なんて言って、じゃあ、母親と先生が話をするということになって、母親の機嫌を損ねるのが怖かった。気に入らないことがあると、ずっとぐずぐずいうタイプの愚痴っぽい母親だったので、そんな面倒なことになるなら修学旅行は諦めようと思いました。

 母は家柄の教え通りに、忠実に個人の幸福よりも、全体の秩序を重んじるように私を教育しようとつとめました。そこには何の悪気もありませんでした。ただただ、私の「子供らしさ」が犠牲になっただけでした。それも原因のひとつとなって、私は、かなり、よい年頃まで自分探しを続けてしまうような、おかしな人間に育ってしまいました。

現代的な親ならどうする?

 現代の親たちは、みんなに助けてもらって車いすで修学旅行に行けばよかったのに、と思う人のほうが多いのでしょうか?それとも、みんなに迷惑をかけてはいけないから、怪我人は修学旅行に行ってはいけないという親のほうが多いのでしょうか?

 あなたが私の親だったら、行かせる、行かせない、どちらを選択していたでしょうか?

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