銀河英雄伝説とガンダムの違い
SF好き、アニメ好きで知らない人はいないであろう「銀河英雄伝説」を最近見始めました。このアニメを端的に紹介するなら、SFものであり、戦争ものであり、青春群像劇でもあると言えます。
そのように紹介すると、「ガンダム似ているの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ガンダムが上記の要素にロードムービー的な要素を取り入れているのに対して、銀河英雄伝説は歴史戦記的な構成となっているので、その点が大きく異なります。
また、ガンダムの主人公は当時の言葉で言う「根暗(ネクラ)」な機械オタクで、戦闘員不足のためしぶしぶ戦闘機に乗せられた民間人なのに対して、銀河英雄伝説の主人公達は、ことの経緯は様々ではあるものの自ら望んで軍人になった、高い才能を持つ者たち、つまり生まれ持って「英雄(ヒーロー)」であることが大きく異なる点です。
銀河英雄伝説のあらすじ
遠い未来に銀河に進出した人類は、皇帝と貴族が支配する銀河帝国(帝国)と、共和主義の人々が建国した自由惑星同盟(同盟)の二つの宙域に分裂しています。この両空域の間には、広大な航行不能宙域があり、それを迂回するように2か所の回廊宙域で結ばれています。
銀河帝国と自由惑星同盟は宇宙統一のため、あるいは互いの思想信条の違いのため、戦争を開始し、開戦から150年間が経過していました。交戦状態、膠着状態を繰り返した150年の戦争が続いた後、銀河帝国にはラインハルト・フォン・ローエングラムという若き天才が、自由惑星同盟にはヤン・ウェンリーという若き天才が輩出されます。そして、その二人の天才が同時期に現われたことで、銀河の歴史が大きく動き始めるという物語です。
銀河英雄伝説と自分の人生を重ねる
私は戦争ものや、歴史もののドラマ、映画、アニメが大好きです。私は普段から社会は不合理で、不条理で、不公平だと常々思っていますし、周囲の人達にもそのように伝えています。そのように思わないという方々は恵まれた方々で、親や親族、家柄、高い能力などの、力を持った何かしらに守られる環境に生まれ落ち、外敵と戦う必要がなかったから、そんなきれいごとを言えるのだと嫉妬してしまったりもします。
私のように、10代から親の面倒を看なければならないヤングケアラーで、10代で身寄りのない天涯孤独になったポンコツの身としては、人生は闘争と自分の身の保身の積み重ねだとしか思えなくなってしまいました。
恵まれた環境で生きて来られた方々の戦争映画などのレビューなどを見ていると、「こんなことが起こっているだなんて信じられない。」だとか、「痛々しくて見ていられない。」などといったレビューがあったりますが、子供の頃から女ひとりで孤軍奮闘して来た私としては、戦争もののドラマを見るたびに「あるある!」とうなずく場面ばかりなのです。
誰も守ってくれない状況では、自分で戦うしかなく、それは分かりやすい暴力であったり、恫喝であったり、誰にも見透かされない策略であったりします。私自身も底辺のワーキングプアの身でありながらも、私に危害を加えようとしてくる敵には、これらの策謀をめぐらせて、働いて生き延びてきたという現実があります。
「若い女はナメられる。」この現実を男性陣は本当の意味では理解できないでしょう。若い女であるというだけで、仕事で部下やお客が言うことを聞かなかったり、性的な被害に遭いそうになったり、社会の中で様々な困難や危険にさらされるのです。特に私の場合は、「親」や「家」という後ろ盾がなかったため、ナメられやすかったという事情もあります。
ですから、戦記ものを自分の人生に重ねては、「時には悪辣な相手を叩きのめす必要もある。」「時には悪辣な相手を策謀にはめる必要もある。」、であっても、「敬意を払うべき相手には敬意を指し示すことを怠ってはならない。」など、自分の人生を振り返っては思い返すのです。
銀河英雄伝説の歴史観
これは少しネタバレに近い話になってしまうかもしれないので、少しのネタバレも嫌だという方は、この章は飛ばしてください。
現在、日本では「民主主義」こそが「民」を「主」とする良い政治制度だと思っている方々が多いと思います。逆に、「独裁政治」と聞けば、ドイツのヒトラーに代表されるように「悪政」と思う方も多いと思います。
ところが、銀河英雄伝説の中では、民主主義政府では利権争いのために政治がどんどん腐敗してゆき、独裁国家(帝国)は高い志の貴族ラインハルト・フォン・ローエングラムが独裁制を敷くことで、国民はどんどん豊かになっていくという、日本人の発想とは全く逆のことが起こってゆきます。
もちろん私自身には民主主義こそが正義なのか、独裁制こそが正義なのかなどといったことは判断はつきません。ですが、今の中国が「習 近平(しゅう・きんぺい)」を総書記に迎えた途端に、経済が大きく立ち直ったことを考えれば、独裁制は「悪」ではなく、民主主義と同じく、良い側面と悪い側面があるとも言えます。
銀英伝を見るまで、学生時代以外は労働と生活の雑務に忙殺されて、民主主義や独裁国家などについて思いを馳せることなどありませんでした。ですが、創作物というのはやはり人の心を動かすもので、改めて国家や世界のありようについて、アニメを通して少しばかり考えてしまいました。
まとめ
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ちなみに「銀河英雄伝説」は人気がありすぎたため、外伝が多く発表されています。ですから、まずは、「本伝1期」「本伝2期」「本伝3期」「本伝4期」を見てから、外伝を見ることをおすすめします。
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