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50代、精神疾患持ちのシニア主婦ブログ。

リストカット(リスカ)女子の就職事情*リスカの跡があっても働ける?

 

リスカ(リストカット)とは

 以前、少し書きましたが、私は「瀬戸さんだから話すけど…」といった打ち明け話をされることが結構あります。そして、しばらく前に会ったのが30歳のリストカット女子。

 リストカットとは、カッターやかみそり、ナイフで手首(リスト)に傷をつける行為のことです。実際には傷つける箇所は手首のみにとどまらず、他人に見えないように太ももやお腹に傷を付けるケースもあります。

 自殺行為といえば自殺自殺行為ですが、色々な人の話を聞くと、目的は自殺ではないように思えることがあります。

「私を見て!」

「私のことを分かって!」

みたいな、自分を苦しめている人物(親や、イジメを受けた同級生など)への、「抗議」の意味が強いように感じたりする時があるのです。

「あなたのせいで私はこんなに苦しんでいる!!」

という意味の抗議です。

リストカットをする理由

 「学校教育相談研究所」のデータによると、「リストカットの理由」については以下のようなデータが出ています。

  1. 「不快感情への対処」(55%)
  2. 「自殺の意図」(18%)
  3. 「操作・意思伝達」(18%)
  4. 「その他」(9%)

といったような、データです。私が感じた「意思伝達」は3位に入っていました。

 実際には自分自身の中にある不快な感情(ストレス)発散のためにリストカットを行うことが多いというのが現実のようです。切った痛みでで落ち着くのか、血を見るから落ち着くのかそのメカニズムはまだ分かっていませんが、リストカットをすると不快感情から解放されるという人が一部いるようなのです。

リストカットの傷跡

 それで、その30歳のリストカッターの女の子(仮称:忍)は、もう、すでにリストカットは卒業しています。つまり、今はリストカットはしていません。ですが、腕にはバーコードのように過去のリストカットに傷跡が残っています。レベルとしては下の画像程度。手首からひじまで、かなり広範囲に傷跡が残っています。

 これだけの傷跡が残っていると、当然、腕の傷を隠さなければなりません。忍は1年中、長袖のシャツを着ていて、私と遊びに出るときも必ず長袖の洋服着ています。

リストカッターの就職事情

 ですが、忍は半そでの制服の大手外食チェーンで長年働いているとのこと。私は、素直に不思議になって、悪気なく彼女に聞いてしまいました。

私「えっ、この腕で半袖で働けるの?接客業でしょ?てか、雇ってもらえるの?えっ、腕は隠して面接に行ったの?」

と、忍ちゃんの傷だらけの腕をなでなでしながら、素朴な疑問を投げかけてみました。そうしたら、

忍「これだけの傷があったら、隠しきれるわけないぢゃん。はじめっから、面接でリスカの痕がありますけどいいですか?って聞くんだよ~。だって、あとになってバレてクビになるの、いやぢゃん?」

と、言われました。

私「え、それでも雇ってもらえるんだぁ~??」と感心していると、

忍「うん、むしろ、どのくらいのやつ?見せて?って言われて、傷跡を見せたら、これくらいなら全然OKって言われたよー。」

私「え、OKつったって、腕じゅう傷だらけじゃん?このレベルでもOKなの?」

忍「ちがうちがう。傷の数じゃないよー、傷の古さだよー。新しい傷だと真っ赤じゃん。あたしのは肌の色にもどってるじゃん。さすがに新しくて傷が真っ赤じゃねー、雇ってもらえないけど、あたしのは古いからOKだよー。」

私「あ、そうか。傷が新しいってことは最近やったってことだからバイトに入ってからも、リスカやって、休むかもしれんもんねー。」

忍「そうそう、まあ出来たての傷は見た目がグロいし、まだ(リストカットを)卒業してないってことだからねー。」

 興味深い話でした。雇う側も「リスカ女子」の扱いに非常に慣れているのです。ということは、「リスカ女子」は、世の中に結構多いということなのだと思いました。

 過去にも、テニスのリストバンドで傷を隠しているリスカ女子に手首の傷を見せてもらったことがあります。みんな、傷跡を隠しているだけで、案外にリスカ女子は身近に沢山いるのかもしれないと思ったりもしました。

人生には必ず重くて暗い面がある

 この記事を書きながら、私のブログは、少し重くて暗いかなと思ったりしました。ですが、「人の一生」なんて重くて暗い面が必ずあるはずですし、人間なんて、最終的には「死」に向かって生きているわけだから、人生に重みがないはずがありません。

 むしろ、そこの部分の重さを分かち合ってこその、人間関係であり、信頼関係であるとも思ってもいます。だから、何を聞いても驚かないし、否定もしない。そして、その人物が特定されるような形での口外もしない。

 忍ちゃんも、
「この腕を見て、私のことを気持ち悪いと思う人もいるし、引いちゃう人もいる。だけど、瀬戸さんみたいに、大変な思いをしても頑張って生きてきたんだねーって言ってくれる人もいる。だから、私はこの傷を恥ずかしくは思っていない。」

と言っていました。

 私も、その言葉を聞いて、忍ちゃんの腕の傷は、大きな試練を乗り越えた若い女性の「勲章」だと思いました。そして、腕に派手な傷跡があっても、就職で採用されるような、そんな柔軟な社会であってほしいとも思いました。

回復の兆しを見せるリストカッター

 精神科に通いながらリストカットを繰り返していた忍ちゃんですが、今は、アルバイトを二つ掛け持ちして、稼いだお金でジムに通ったり、グルメを楽しんだりと、人生を謳歌しています。そんな彼女の姿から、精神疾患からの回復は不可能ではないという希望も与えてもらいました。

 人生は「七転び八起き」です。七回ころんでも、八回目で起き上がっていれば、それでOKなんじゃないかと思います。

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