すぺいん亭とは
すぺいん亭とは、川越にある1983年創業の老舗スペイン料理店です。
こちらのお店のオーナー兼シェフは村田禮三(むらたれいぞう)氏という方です。村田禮三氏はバレンシア州エスカのパエリアコンクールの国際部門で6回優勝し、総合ではアジア人歴代最高の2位を獲得しました。また。スペイン大使館でのガーデンパーティー等でパエリアを作りに出店するほどの腕前のシェフです。
店舗の入り口にはスペイン語で書かれた、数々の賞状が陳列されています。
2023年1月中頃にTBSの「バナナマンのせっかくグルメ」で広瀬すずさん・伊原六花さんが来店したことがきっかけで、スペイン亭は一気に有名店になったそうです。以前は平日はそんなに混雑していなかったのに、テレビで取り上げられてからは平日も非常に混むようになったそうです。スタッフの方に聞いた話では、やはりTV放映後は来店客が増えて大変忙しくなったとのことでした。
すぺいん亭の予約
スペイン亭の予約は4人以上からしか受け付けていません。私達夫婦は2人で来店を希望していたため、予約はできませんでした。
すぺいん亭の外観
すぺいん亭の外観はかなり古ぼけており、雨滲みの汚れが目だち、あまり美しいとは言えません。
店舗の前には大きさの違うパエリア用の大鍋が2つ飾ってあり、このパエリア鍋がすぺいん亭の目印になっています。
レストラン入り口に飾られた「5.5メートルのパエリア鍋」は、ギネスに認定されたものです。また、すぺいん亭のオーナーシェフはこの巨大な鍋で一度に5,000人分のパエリアを作ったこともあるそうです。さらに、元ジャニーズのTOKIOが出演する「ザ! 鉄腕! DASH!」で、このパエリア鍋が使用されたことでも有名なのだそうです。
すぺいん亭の店内
すぺいん亭の内装はとても奇抜で、オーナーである村田氏がこだわり続け、お店の内装を20年もの月日をかけて作り上げたそうです。
お店の中の印象は、とにかくモザイクタイルと段差という印象です。迷路のように入り組んでいて、通路が狭い部分もあるのでバリアフリーというわけにはいきません。
入り口を入って左側には2階に上る階段があり、この階段がとても急でヒールを履いた女性などは足元に気を付けないと、かなり危険です。
階段の横には、バルセロナにある寺院「サグラダファミリア」のオブジェが飾ってあります。
階段をのぼった先には団体席が用意されていました。
また、2階から1回を見下ろすとこのような壮観な長めです。まるで、スペインの寺院に来たかのような錯覚に陥ってしまう内装です。ですが、この画像からも、いかにすぺいん亭の店内が入り組んでいるかが伺えると思います。
ドリンクカウンターもモザイクタイルで装飾してあります。
壁や床すべてがモザイクタイルで張り巡らされており、独特の雰囲気を醸し出しています。
私達夫婦が通されたのはこちらの席でした。
座った席から見える景色はこのような感じでした。
テーブルもモザイクタイルが貼り付けてある斬新なものでした。ですが、タイルが貼り付けてあるためテーブルの表面がでこぼこしており、若干お皿がガタガタして、料理が食べにくいのが難点でした。
こちらのテーブル、よく見るとパエリア鍋の取っ手が付いていました。
テーブルの下をよくよく見ると、厚みがあり、どうも、パエリア鍋にモザイクタイルを貼り付けて作られた、手作りのテーブルだったようです。
店主が20年もかけて地道に手作りした内装だけあると感心してしまいました。
すぺいん亭のランチコース
最初に出てきたのはスペインオムレツで、卵とじゃが芋だけのシンプルでオーソドックスなスペインオムレツでした。卵とじゃが芋と塩のシンプルで素朴な味で、素材の味がしっかり感じられるスペインオムレツでした。
このスペインオムレツはスペイン語では「トルティージャ」と呼ばれ、一般的な家庭料理です。家庭料理なので具材の厳密なルールは「卵とじゃが芋を使う」ということだけで、各家庭で好みの野菜や残り野菜を入れて作るのが一般的です。
次に出てきたのが「ガスパチョ」です。ガスパチョもスペインの一般的な家庭料理で「飲むサラダ」とも呼ばれている冷製スープです。トマト、パプリカ、きゅうり、玉ねぎ、にんにく、ワインビネガー、オリーブオイル、パン、塩コショウをミキサーに入れて攪拌したスープのようなものです。
「ガスパチョ」も家庭料理なので、各家庭でそれぞれにレシピがあり、特に夏場に頻繁に飲まれるスープです。スペインでのガスパチョは、日本の麦茶や牛乳のような存在で、夏場には必ずポットに入ったガスパチョが冷蔵庫にストックしてあり、小腹が空いたり、のどが乾いたりしたら冷蔵庫から取り出して飲むといった、本当に当たり前に冷蔵庫に常備してある飲み物なのだそうです。
すぺいん亭のガスパチョは上記の材料を攪拌しただけのシンプルなガスパチョではなく、どちらかと言えばトマトのポタージュのような味で、あまりガスパチョという感じはしませんでした。さらに、トマトのガスパチョの隣には「ブドウのガスパチョ」という酸味のあるスープが添えられており、これは正式にはガスパチョとは呼ばないのではないかと思ってしまいました。ですが、スペイン亭のトマトのガスパチョもブドウのガスパチョも、本物のガスパチョとは違う創作料理だと思えば、それなりに美味しいポタージュスープでした。
次に出てきたのがパエリヤです。すぺいん亭のメニューではパエリヤが「パエヤ」と記載されていました。スペイン亭のパエリヤはお米にたっぷりの豆が混ぜ込んであるパエリアでした。
豆を使うパエリアはバレンシア地方のパエリアの特徴です。伝統的には豆と合わせるのは、鶏肉、ウサギ肉、エスカルゴなどなので、魚介と豆を合わせたパエリアはある種の創作パエリアとも言えます。
すぺいん亭のパエリアは上に乗っている魚介類は美味しかったのですが、お米と豆の味付けが薄味でスパイスがあまり効いておらず、少し物足りない感じがしました。
デザートはスペイン修道院の伝統菓子「ラ・マンチャの華」でした。スペイン語での正式名称は「フローレス・マンチェガス」で、小麦、卵、水(または牛乳)を混ぜた生地を花の抜型に浸して花形に揚げたカスティーリャ・イ・ラ・マンチャ地方の伝統菓子です。基本的にはセマナサンタやイースターの時に食べられるお菓子のようです。
他のスペイン料理同様「ラ・マンチャの華」も様々なレシピや形があるようですが、すぺいん亭の「ラ・マンチャの華」はサクサクのパイ生地のような食感で、アイスクリームと一緒に食べるととても美味しいのですが、パイ生地がポロポロと崩れるので、手で割りながらアイスクリームをディップして食べました。
〆の飲み物はカプチーノでした。苦めのエスプレッソに程よい量の泡立てたミルクが入っており、風味豊かなカプチーノでした。私はオーストラリアに暮らしていたことがあるのですが、いかにも欧米で出て来そうな日本風の味でないカプチーノでした。
すぺいん亭のサービス
すぺいん亭の口コミを見ると、ほとんどが「雰囲気を楽しみにいく場所」と書いてありました。正直に言うと、すぺいん亭のサービスはひどいものでした。一番ひどいのはオーナーのおじいさんの接客態度です。私も来店した際に、理不尽な理由でこのオーナーのおじいさんに何度も怒鳴られました。オーナーのおじいさんの傍若無人で理不尽な接客はグーグルの低評価の口コミを見れば一目瞭然です。スペイン亭の低評価の口コミのほとんどがオーナーシェフへのクレームと、料理提供の遅さでした。
ちなみに食べログは、正直に酷評を書くと削除されると有名で、食べログには比較的良いレビューしか掲載されないので信用なりません。お店の評判を調べたい場合は、グーグルのレストラン口コミを見ることを推奨します。
すぺいん亭のサービスがいかにひどいかは、下記の記事にまとめした。大まかにサービスのひどさをお伝えすると、駐車場入庫拒否、入店拒否、オーナーが店内で怒鳴り散らす、スタッフによって言うことが違う、水や料理が出てくるのが異常に遅いなどなどです。グーグルの口コミを見るとコース料理で全ての料理が出てくるまでに3時間以上かかり、楽しみにしていたパエリアも冷めきっていたというものもありました。また、オーナーに暴力を振るわれたという口コミもありました。オーナーの常軌を逸した行動から私達夫婦は「あのオーナーさん認知症なのかな?」と疑ってしまいました。
何人かのお客さんがスタッフにクレームを言ったそうですが、スタッフからは「高齢なので、言っても聞かないんですよ。」という返答が返ってきたとのこと。いくら傍若無人な態度を取られても、オーナーなのでスタッフも逆らえないようで、怒鳴られても上手くスルーしていて、とても可哀そうでした。
まとめ
賞をとったことやテレビで取り上げられたことで有名になったスペイン亭ですが、スペイン料理としては、驚くほど美味しいということはありませんでした。すぺいん亭程度のクオリティのスペイン料理なら、東京や埼玉でいくらでも食べられるので、わざわざ川越まで足を運んで食べる必要はないと感じました。
ですが、多くの口コミに書かれているように、店内の装飾は群を抜くものがあるので、一回は店内の装飾を楽しむために来店してみるのも良いと思います。
私個人としては、オーナーのおじいさんにしつこく怒鳴られたのがトラウマになったので2度目はないと思っています。
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