- コールセンターのバイトは離職率が高い
- コールセンターでの恫喝と感謝
- 料金課はクレーム対応・交渉対応が多い
- 弱小食品会社のコールセンターは数名で回す
- 暇つぶしのために電話をかけてくる人達
- いかがわしい目的で電話をかけてくる男達
- コールセンターは苦情処理係?
- まとめ
コールセンターのバイトは離職率が高い
沖縄のコールセンターの離職率が高いという記事を見て思ったことは、え?離職率が高いのは沖縄だけ?という素朴な疑問が沸いてしまいました。
私は20年くらい前にコールセンターで働いたことがあり、そこそこ能力を発揮していたので、後輩の指導をする中間管理職的な立場になっていました。コールセンターのバイトと言っても、長時間働く人は「契約社員」としての契約となり、社会保険なども引かれていたので、実質社員扱いでした。
コールセンターでの恫喝と感謝
私はこの記事に対して、
「大手通信会社でののテレオペ経験あるけど、顧客から「殺すぞ!こら!」「てめぇ、今から行くから場所教えろ!」とかの恫喝がひどく、退職者でテレビの音を聞いただけでPTSDの発作がでるくらいの後遺症が残った人も」
と、ブックマークコメントをしました。
ですが、
「コールセンターってクレーム受け付けだけやってるわけではなく、困っている人を助けて感謝される職業でもある訳だが、全くその観点については認識されていないのがブコメから分かる。」
といういコメントを見て、「ああ、確かに感謝されて嬉しかったこともあったなぁ…」と思いなおしたりもしました。商品についてあまり理解されていないお客様に小学生にでも分かるように分かりやす説明したら、いたく感謝されたことがありました。次にコールセンターに電話をくれた時も「瀬戸さんに取り次いでください。」と、私をご指名までしてくれたお客様もいました。
通信業や製造業など、作りが複雑で扱いが分かりにくいパソコン・スマホ・家電などは「分からなくて困っている人を助ける。」という側面があります。そういった場合には、お客様から感謝の言葉をいただく事も少なくなく、そんな日は嬉しい気持ちで帰宅したのを覚えています。
私は当時、携帯電話会社のコールセンターで働いていたのですが、中間管理職的な立場になると、自分の後輩たちの過失の責任まで負わなければいけなくなり、そのストレスとプレッシャーで、結局退職してしまいました。
料金課はクレーム対応・交渉対応が多い
通信業界のコールセンターでクレームが起こりやすいのが料金課。
- 「料金を払っていないので電話が止まっている、だけど、払う金は今はない。払える時に払うので開線しろ。」
- 「いいや、料金を払わないと開線はできない。」
という押し問答が毎月「料金未払いの通話停止」時期に、ものすごい数くり広げられるのです。そして、上記のような暴言の嵐がくるわけです。
私がいた通信会社は特に料金課を作らず、全てのオペレーターがこの、料金交渉の応対をしていたため、ほとんどの人がクレーム対応も込みで仕事をしていました。通話内容の一部がクレームなだけでも、相当メンタルを削られるのに、揉めることの多い料金問い合わせだけを専門にやっている料金課ってどんな地獄なんだろうと思ったのを覚えています。料金課を別途設けている通信会社は、確か料金課だけ100円だったか、200円だったか時給が多かった記憶もあります。
弱小食品会社のコールセンターは数名で回す
製造業でも、例えばの洋菓子店など、使い方が分からないといった類の商品でない場合は、かかってくる電話のほとんどはクレームらしいです。
大手通信会社などが数百人から数十人のオペレーターをそろえているのに対して、中小の食品会社など、問い合わせの少ない業種では、そもそもお客様センター要員が2~3人しかいなかったりします。
食品業界にかかってくる電話は、ほとんどが異物混入のクレームなのだそう。中小食品業界はクレームが多いわ、愚痴を言える仲間は少ないわで、とても離職率が高いそうです。
もちろん工場でパックするときに異物が混入したのであれば、そのロットを回収しなければいけないわけですが、実際には「開封後の食品にゴキブリが入っていた。」というクレームがあった場合、そのお客さまの自宅で、開封後に入った可能性もあるわけです。
こういった場合、その異物混入の現物を送り返してもらい、第三者機関に調査を依頼して、どこでゴキブリが入ったのか検査してもらうのです。私が聞いたケースは、袋の外側と内側にゴキブリの足跡が残っていたので、開封後にお客さまの家で入ったものという検査結果が出て、それを伝えたそう。
それでお客さんが納得がいこうがいくまいが、科学分析した結果がそうだと伝えるしかできないので、納得がいかず、ご立腹のお客さんもいたようです。
暇つぶしのために電話をかけてくる人達
コールセンターと言えば、その会社の商品の問い合わせをするために電話をかけてくるものだと思う人がほとんどでしょう。ですが、世の中には常識を超えた人というのが沢山いらっしゃるもので、ただ、雑談をしたくて電話をしてくる人、酔っ払った勢いで寂しくて電話してくる人も沢山いました。
最初は、問い合わせっぽく話をしてくるのですが、段々、「この間のサッカー見ました?」みたいな話になって、優しいスタッフだと話を合わせてあげて、30分くらい捉ったりしていました。今はどうか分かりませんが、20年前は(失礼に当たるから)絶対にオペレーター側から電話を切ってはいけないというルールがあったのです。それをいいことに、寂しい人(ほとんど男性)がやさしい女の人に無料通話(フリーダイヤル)で相手してもらえるとあって、毎日のように雑談をしに電話をしてくるのです。
そして、あまりにも世間話がしつこいので、冷たくあしらって電話を切ると、今度はその冷たくあしらったオペレーターの名前をあげつらって、感じが悪かったと、オペレーターの接客態度について、即座にクレームの電話をしてくるのです。
さらに悪いことには、そのクレーマーは商品の取扱説明書を熟読していてい、「この表示が出るのは何があったときですか?」と、めったに起こらない事象を「取扱説明書」から抜粋して、オペレーターが即座に答えられるかテストして遊ぶというゲームもしていました。
新人のオペレーターは取扱説明書を必死でめくり、その事象を調べて答えるのですが、そのクレーマーは「正解!でも○○の時は、こういう表示になるんですよね。」と、オペレーターよりも自分のほうが知識が上であることをひけらかすのです。
新人オペレーターは電話を切った後に、「クイズかよっ!」と、ボソっとツッコミを入れていて、ふきだして笑いそうになったのを覚えています。
いかがわしい目的で電話をかけてくる男達
知人が大手通販会社のコールセンターに勤めていたのですが、「ブラジャーってどうやってつけるんですかぁ?ハァ。ハァ。」と、息を荒くして興奮した男性から電話がかかってきたのだそう。おそらく、諸般の事情により女性の声が聞きたかったのでしょう。
その知人は
「まずは、商品の袋を開けてください。ブラジャーを広げますと左右に紐がありますので、右の紐には右腕、左の紐には左の腕を通してください。」
といったように淡々と説明したそうです。
コールセンターというのは無料で女性の声が聴けるとあって、冷やかしの電話が相当な数、入ってくるという現実もあるのです。
コールセンターは苦情処理係?
私が勤めていた会社のように、まんべんなく、皆でクレーム電話やいたずら電話を取りましょう、という方針のところもあれば、料金課や苦情課を別で設置して、面倒なのはそっちにまわしましょうという会社があります。
あるコールセンターでは、中高年で結成した謝罪班を設置しており、怒っているお客さんに、ただただ謝り続けるという班を作って工夫しているという話も聞きました。
苦情係をやっていた人の体験談しか聞いたことのない人は、コールセンター=苦情係というイメージを持ってしまうのも仕方のないことかもしれません。
ですが、説明能力が高く、トーク力さえあれば、実際には感謝される場面も多くあるのがコールセンターです。私自身もコールセンターで働いていて、何度「ありがとうございました。」と言われたか分かりません。
まとめ
これは20年前に私が体験したコールセンターの実情なので、現在は状況が変わっているかもしれません。最近は、例えば通信会社なら、料金部門、操作部門などのように、各々に扱う分野を限定してスタッフの業務知識獲得の負担を減らしているという話も聞きます。
もしも、あなたがコールセンターでバイトしようと思っているなら、他人の「感情的な言葉」に、心を左右されないような胆力を持っておく必要がありそうです。
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